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急激な円安の理由と影響 【2015年5月末】

公開日: : 最終更新日:2015/06/20 ニュースねた

2015年5月の末にかけて、急激に円安が進んでいます。このブログを書いている5月29日22:55のレートで123円80銭あたりをつけています。28日の東京外国為替市場の円相場では、2002年12月以来約12年ぶりに一時1ドル=124円台前半をつけました。
5月18日頃まで120円前後をうろうろとしていたので、以下に急激に上がったのかが解ります。

ドル/円レート

Yahooファイナンスより

今回の急激な円安の要因

今回の円安のもっとも大きな要因といわれているのは、アメリカの中央銀行にあたる米連邦準備理事会(FRB)が、これまでの0金利政策から脱し利上げをすると予測されていることで、金利のない円を売って、金利が上がるドルを購入する流れが発生してるからです。
実際FRBがいつ利上げするかは誰にもわからず、憶測で為替が大きく動いている状況です。

アメリカの政策金利はリーマンショックが発生した2008年12月に1%から0.25%に引き下げられてからこれまでずっと0.25%を維持しています。

これでも経済の状況はよくならず、FRBはEQ1,EQ2,EQ3と3度にわたって大規模な金融緩和を行い、世の中に出回るお金の量(マネーストック)を増やしてきました。

しかしこの政策はいつまでも続けるわけにはいきません。どこかで金融政策の方向転換を行わないと、バブルが発生したりインフレが発生してしまいます。
そこで出てきているのが今回の利上げ観測です。

円安の影響は?

円安の影響は企業の業績への影響だけでなく、実は私たちの身近なところにまで及びます。円安の影響を簡単にまとめてみたいと思います。

輸出の比率が大きい企業にとってはプラス

製造業などで、海外への輸出が多い企業にとって円安は大きなプラスになります。

同じ製品を100ドルで販売していたとして円に換えるとき、一昔前1ドル=100円だったころは、10,000円の収入だったものが、現在1ドル=123円であれば、12,300円になります。
何もせずに2,300円増えたことになります。

ならば90ドルに価格を下げて販売したとしても、90×123=11,070円で、まだ1,070円収入が多いことになります。したがって他の海外メーカーより価格競争力がつきます。

これまで、円安で大企業の業績が上がればそれが中小の企業に波及し、やがて家計も潤すといわれてきましたが、どうもそう簡単にはいかないようです。
最近の大企業は利益を内部留保という形で企業に内部に蓄積しています。今後何が起こるかわからないという企業防衛のひとつなのですが、結果的に中小企業しいては家計へ波及しづらくなっています。

たとえばトヨタ自動車などは、莫大な為替利益が発生しています。

輸入の比率が大きい企業にとってはマイナス

逆に原材料などを輸入に頼っている企業にとってはマイナスです。これまで100ドルの原材料を買うのに10,000円で買えたものが、現在では12,300円払わないと購入できません。

原材料費の価格上昇は原価の価格を押し上げ、同じ利益を確保しようとすると売値に上乗せするしかありません。しかしこの不景気で多くの企業が販売価格のアップが難しい状況です。

家計や普通の中小企業もマイナス

では一般の家計に対してはどうでしょうか。日本はガソリンや重油・軽油などの資源、小麦粉や大豆などの食糧、とうもろこしなどの家畜のえさなど、多くのものを輸入に頼っています。

これらの購入価格は上昇することになります。メーカーは一時的には価格のリスクを回避する方法を利用していますが、これも中長期的には限界があり、販売価格を上げたり内容量を減らしたりすることで消費者に負担が回ってくることになります。

また、燃料の高騰は発電のための燃料価格にも当然影響を与えるので、電気料金の値上げという形で私たちの負担が増えることになります。

海外の旅行者へのサービス業はプラス

円が安くなると海外の観光客にとってメリットは多く、旅行者数も増えることになります。なので、ホテル・一部の飲食業、外国人で賑わう観光地などにとってはプラスといえるでしょう。

円ドルレート推移

Yahooファイナンス HPより

今後の円為替相場は?

アメリカのFRBが9月に利上げに踏み切るとの予想が濃厚になっています。9月に向けて徐々に円安圧力は増すと考えられます。
また、実際に利上げされればその影響は少なくないと考えられます。一気に1ドル/130円なんて数字もあるかもしれません。

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